アツバキミガヨラン

バラ園の入り口で、アツバキミガヨランが咲きはじめました。

20140529アツバキミガヨラン (2)

この花の名前を漢字で書くと「厚葉君が代蘭」。明治時代に日本にやってきました。
一年じゅう青々とした肉厚の葉を茂らせ、長いあいだ花を咲かせる様子からこのようなおめでたい名前になったそうです。

20140529アツバキミガヨラン (1)

背の高い花茎いっぱいに釣り鐘状の白花をつける姿がほんとうにあでやかです。

20140529アツバキミガヨラン (3)

 

もりひこ

大野村⇔宮内村

海の見える杜美術館から広島方面に向かう途中に村境の石柱がありました。

20140528大野村⇔宮内村  (1)大野 宮内 村境

当館は旧大野村にあるのですが、大野村が宮内村と境を接していたのはこの場所であったのだと、静かに教えてくれました。

この石柱がある道は大昔からの由緒があり、江戸時代には五街道のひとつ西国街道として重要な役割を果たしていました。その時に定められた二間半(約4.5m)の道幅そのままに現在に至っています。そしてこの石柱の立つ場所は、紀元600年ごろの伝説がある大野四郎由来の四郎峠にあります。現在「エコセンターはつかいち」がある場所です。

日ごろ通いなれた道でしたが、この石柱にいざなわれて、清盛が、秀吉が、そして幕末維新の志士たちが駆けたであろう光景が日常の風景に重なってみえたような気がしました。

20140528大野村⇔宮内村  (2)

いつの時代に建てられたのか気になりますが、この石柱には日付の記述がありません。下限ははっきりしていて、大野村が大野町になる1950年(昭和25年)4月1日より前です。上限は両村の呼び名が江戸よりずっと前からあったのではっきりしませんが、風化の度合いなどからみて、明治22年の市町村施行時に村境を確定のために設けられたものでしょうか。皆さんはどうお考えになりますか。

街道が好きです - 里程標
街道が好きです - 道路開通記念碑

街道が好きです - 道標(畑口橋交差点)
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もりひこ

バラ園だより

クイーン・エリザベス
20140526バラ園だより (4)
花が空に向かって凛と咲いています。
20140526バラ園だより (5)
1954年にエリザベス女王に捧げられ、そして1979年、World Federation of Rose Society(世界バラ会連合)の殿堂に入った栄誉あるバラです

ポールズ・ヒマラヤン・ムスク
20140526バラ園だより (1)
大きな木の、はるか上まで茂っています。
20140526バラ園だより (2)
桜に似た柔らかなピンクの花です。

バレリーナ
20140526バラ園だより (6)
その名の通り、チュチュ(バレエで着用されるスカート状の衣装)をパッと広げて舞う姿のように華やかです。
20140526バラ園だより (7)
たくさんの花が枝を覆っています。

 

もりひこ

広島の針は日本一

今日から展示替えですが、重宝している虫ピンについてのむかしばなしです。

今をさかのぼること20年ぐらい前のこと
作品を安全に展示するのに市販の虫ピンを使っていました。
虫ピンは細長くて、少しでも硬いところに打ち付けると、クニャって曲がってしまいます。
曲がってしまえばもう使えません。もったいないやら、いらいらするやら。

板に打ち付けても曲がらない、強い虫ピンがほしい。
抜いた後でも穴が目立たない、細い虫ピンがほしい。
物をしっかり固定する、大きい頭の虫ピンがほしい。
サビが残らない、材質がいい。
etc…
こんな願いをかなえてくれる虫ピンはないだろうか・・・・
そうだ、広島は日本一の針の生産地。なんとかなるに違いない。
そんな願いをかなえてくれる針工場を訪ね歩き、
ついに当館オリジナルの虫ピンができたのでした。
20140526 広島は針の日本一 (2)
おお! すべての願いをかなえてくれる虫ピン。 長さ15ミリ。太さ0.6ミリ。頭の大きさ2ミリ。
20140526 広島は針の日本一 (4)

上がよくある虫ピン、下が特注の虫ピン。 鉛筆と比べるとこんな感じ
20140526 広島は針の日本一 (3)
これは便利。
ピン打機で打ち込むこともできるので、
壁の布張や、拡大画像の貼付けにも便利に使っています。
20140428-4
『花と宴』展(2014)の壁

うみひこ

新しい掃除仲間。

心身の疲労を癒し集中力・記憶力を高めるハーブとして知られているローズマリー。
アロマとしてではなく、お肉料理に使うのでもなく、新しい、掃除仲間として来ました。

普段は、ホコリを散らさないために濡れた新聞紙を撒いてから、モップをかけています。
それを新聞紙ではなく、ローズマリーでしてみようと思います。

出番は乾燥させてからということで、乾燥の準備。
20140524新しい掃除仲間。 (2)
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大型画像の作り方 絵巻の世界を“体感”する『村松の部屋』(2014)編

5月19日のブログで宿題にしていた、大型画像の作り方です。

1、撮影する
通称8×10(エイトバイテン)と呼ばれる、8×10インチ(24×30㎝)のフィルムに撮影できるカメラを使いました。

20140520大型画像の作り方 絵巻の世界を“体感”する『村松の部屋』(2014)編

撮影では、作品を傷める危険がないようにすることに一番気を使います。たとえば、熱線や紫外線が出ない照明を使うのはもちろんのこと、作品の上にカメラや機材がこないようにする、マスクを着用することなどです。

そして、絵が最も美しく見えるように、金の反射や黒色のしまり具合、光の角度など考慮しながら最適なライティングを定めてシャッターを切ります。もちろん光の色温度を適正にしてカラーチャートを入れる事、シャープな仕上がりになるように絞りをきつくする事も忘れずに。

作品を、幅25㎝ずつ合計10コマ撮影しました。

これがそのフィルム。
20140520大型画像の作り方 絵巻の世界を“体感”する『村松の部屋』(2016)編
左側シルエットのスマホで大きさを見比べてください。

2、フィルムをデータ化する
ハイエンドのドラムスキャナーを使用して、フィルムの粒子が見える直前までスキャンします。

3、出力用データを作る
i.  カラーチャートを使って画像の色を正しく補正
ii. Illustrator上にデータ化した画像を読み込み、
垂直水平を調整、その後画像を連結していく作業
(※)データ量がGB(ギガバイト)単位なので、いきなり超高精細画像をIllustratorに放り込むと、すぐにフリーズして、連結作業などやってられません!!
まずはある程度細部まで見えるギリギリのところまでデータ量を圧縮したデータを作成し、
その画像データを使用し、出力データを制作していく。
そして、データが仕上がり、出力する段階で、印刷範囲の画像だけを圧縮画像から超高精細画像にリンクをすり替える。
あとはその作業の繰り返しで、画像のリンクを入れ替え入れ替え一枚一枚出力していくのです。
20140520大型画像の作り方 絵巻の世界を“体感”する『村松の部屋』(2015)編(7)

4、出力して画像を張り付ける
まず出力
OLYMPUS DIGITAL CAMERA「清盛とその時代」展(2012)の記録より

つぎつぎと床に並べていきます
OLYMPUS DIGITAL CAMERA「清盛とその時代」展(2012)の記録より

白い縁をカッターナイフで切断しておき、後は現地で直接天井から床まで貼り込みます。
初めにレーザー式水準器を使用して、中央部分の画像を垂直に貼り付け、そこから左右に貼り足していきます。ドアや凸凹、いろんな障害にも負けずに全部にどんどん貼っていきます。

5、完成
20140520大型画像の作り方 絵巻の世界を“体感”する『村松の部屋』(2015)編

トピック
写真を貼る前に天井にペンキを吹きつけました。
20140520大型画像の作り方 絵巻の世界を“体感”する『村松の部屋』(2019)編
久しぶりに肩が凝りました。

 

うみひこ

資料:使用機材と撮影データ
カメラ            Sinar  P2  8×10
レンズ           Schneider  APO-SYMMAR  6.8/360
ストロボ                COMET CA-3200
絞り                      32 1/3
シャッタースピード 1/125
フィルム          富士フイルム RVP50  8×10
ドラムスキャナー Heidelberg S3900
パソコン                Mac Pro OS X
ソフト                    Adobe(Illustrator CC/Photo Shop CC)
出力機                 Canon IPF8400
出力紙                 合成紙(PP)「厚手」マット
虫ピン                  オリジナル製品 2014年5月26日ブログ参照
両面テープ       nitoms  No.539R  J0810

里山に茂る山野草

当館が、木々鬱蒼としげる豊かな自然の山中に開館して、はや30年を迎えます。

次第に道路や遊歩道が整備されて、今ではご来館の皆様には春の桜、秋の紅葉をはじめ、四季折々の自然をお楽しみいただけるようになりました。

山野草の持つ人知の及ばない造形には、満天の星空を見る時の、遠い深い世界へと吸い込まれるような感覚を味わうときもあります。

20140522里山に茂る山野草 (3)ノアザミ

20140522里山に茂る山野草 (5)ノイバラ
20140522里山に茂る山野草 (4)タニウツギ

今から梅雨を迎えますが、この時期ならではの自然が織りなす競演を、当館でお楽しみになりませんか。

20140522里山に茂る山野草 (1)ササユリ
20140522里山に茂る山野草 (2)ウラジロ

 

もりひこ

展覧会の一枚《鞍馬寺縁起絵模本》

6月7日より開催の次回展「信仰と美術Ⅱ 仏と神のすがた」には、日本各地に見られる信仰の様子を表した作品が数多く出品されます。
こうしたなかには、山岳信仰と関わりのある作品がいくつも見られます。

霊山(れいざん)と称される山岳の多くは、外来の宗教である仏教と、在地の神を崇拝する神道とが複雑に混じり合うことで、独自の宗教空間を形成していました。
本展覧会の前期に展示いたします《鞍馬寺縁起絵模本(くらまでらえんぎえもほん)》は、そうした山岳信仰の場のなかで生まれた作品です。

20140521 展覧会の一枚《鞍馬寺縁起絵模本》 (2)
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