記念講演会「描かれた平家物語」のご案内 「平家物語絵—修羅と鎮魂の絵画−」展

5月4日(水・祝)、現在開催中の「平家物語絵—修羅と鎮魂の絵画−」展の記念講演会が行われます。会場は美術館ではなく、ウッドワンさくらぴあ小ホール(広電宮島線「廿日市市役所前(平良)」駅から徒歩7分ほど)で行われます。

まだ展示をご覧になっていない方も、すでに展覧会にお越し頂いた方も、より深く、楽しく平家絵を知ることができる講演会にしたいと思っています。ぜひお越しください。

聴講は無料ですが、申し込みが必要になります。下記の内容をご確認ください。

  • 日時:5月4日(水・祝) 13:30〜[開場13:00]
  • 会場:はつかいち文化ホール ウッドワンさくらぴあ小ホール(広島県廿日市市下平良1-11-1)
  • 講演者:相澤正彦(成城大学教授)、山本聡美(早稲田大学教授)、谷川ゆき(海の見える杜美術館学芸主任)
  • 参加費:無料
  • 申し込み方法:「平家展講演会参加希望」とご記入の上、①参加人数、②参加希望者全員の氏名、③代表者の住所、④代表者の電話番号を明記し、往復はがき(1通2名様まで)で、4月28日(木)までにお申し込みください。返信はがきの宛先に代表者の住所氏名をご記入ください。当館より折り返しご連絡いたします。なお、定員に達ししだい締切とさせていただきます。
  • はがき宛先:〒739-0481 広島県廿日市市大野亀ヶ岡10701 海の見える杜美術館 平家展講演会係宛
  • 問い合わせ先:海の見える杜美術館 0829-56-3221

展覧会も会期後半に入りました。お堂の障壁画であった当時の様子を再現した、赤間神宮ご所蔵の「安徳天皇縁起絵伝」の展示もご好評をいただいています。

安徳天皇縁起絵伝 全8幅 赤間神宮

谷川ゆき

ゲンペイモモ(源平桃)と平家物語絵展

ゲンペイモモという品種の桃の花が咲いています。

源平桃

江戸時代からあるモモの品種で、その名前は、紅白に咲かせる花の色を紅白に色分けされる源氏と平氏に例えたのでしょう。

「平家物語絵 ー修羅と鎮魂の絵画-」にお越しの際は、紅白の色彩に思いをはせてお楽しみください。

《宇治川 一の谷合戦図屏風》6曲1双 江戸時代 より 《一の谷合戦図屏風》 海の見える杜美術館蔵

紅白の花と言えば、今はボケ(木瓜)の花も盛りです。

木瓜の花
画面中央の紅白の花をつけた木が木瓜

このほかにも紅白の花が咲いています。

ちょっと探してみてください。

もりひこ

サクラの花と平家物語絵展2

ソメイヨシノが満開です。

満開の染井吉野の巨木 と 敷地内のレストラン セイホウ・オンブラージュ と 鯉のぼり

ベニヤエシダレも満開になりました。

紅八重枝垂れ と 鏡池に映る美術館

盛りを過ぎたサクラの花の花びらが舞っています。

「平家物語絵 修羅と鎮魂の絵画」にお越しの際は、散りゆくサクラに平家への想いを重ねていただければと存じます。

もりひこ

うみもり香水瓶コレクション17 《アリュバロス 兜を被った頭部》

こんにちは。特任学芸員の岡村嘉子です。現在、香水瓶展示室では、企画展示室で開催中の「平家物語絵 修羅と鎮魂の絵画」に合わせて、フロマン=ムーリス(帰属)《香水瓶》(うみもり香水瓶コレクション16)とともに、古の兵士つながりで、こちらの作品を公開しています👇

©海の見える杜美術館、Umi-Mori Art Museum,Hiroshima

《アリュバロス 兜を被った頭部》ロドス島(?) ナウクラティス(?)、紀元前6世紀初頭、テラコッタ、彩色、海の見える杜美術館、ARYBALLOS TETE CASQUEE, – Greece,Rodhes(?),Naucratis(?),Early VIth century BC., Terracotta, Umi-Mori Art Museum,Hiroshima ©海の見える杜美術館、Umi-Mori Art Museum,Hiroshima

こちらは、紀元前6世紀初頭にギリシャでつくられた香油入れです。

陶器の製造がさかんであった古代ギリシャには、様々な器の形が存在しました。その形それぞれに名称があり、本作品名に付された「アリュバロス」も、まさに器形を表す言葉です。この一言で、細い首を持った球形または球状の小瓶のことを表しています。

そういえば、以前、ブログの「香水散歩」でご紹介したオランダ・ライデン国立考古博物館 の古代ギリシャ展示室の作品や、それに合わせてお目に掛けた海杜所蔵の作品も、アリュバロスでしたね!

こちらです👇

©海の見える杜美術館、Umi-Mori Art Museum,Hiroshima

《アリュバロス 兜を被った頭部》ギリシャ、コリントス、紀元前6世紀、テラコッタ、海の見える杜美術館 ARYBALLOS Greece,Corinth,VIth century BC., Terracotta, Umi-Mori Art Museum,Hiroshima ©海の見える杜美術館、Umi-Mori Art Museum,Hiroshima

 アリュバロスには、上の画像のように絵付けされたものが数多く存在する中で、今回の出品作は、まるで彫刻のように、兜をつけた青年の頭部がかたどられた珍しい形をしています。

 兜の額部分に施された繊細な植物文様の線刻に目を見張りますが、なによりも強い印象を残すのは、目を中心としたこの顔立ちです。そこには、つい「これぞギリシャ人!」と言いたくなるような要素が詰まっています。

例えば、まずはこの鼻。いわゆる「ギリシャ鼻」と呼ばれる、鼻梁の高さを誇る鼻は、額から鼻の先にかけて一直線に、次第に高くなっています。斜め横から見ると、鼻が直角三角形のようであることやその高さが顕著ですね!

©海の見える杜美術館、Umi-Mori Art Museum,Hiroshima

そして、この美しい鼻よりもさらに印象的であるが、深く刻まれた大きな両目でしょう。このようなアーモンド形をした目は、当時のギリシャ彫刻の特徴でもありました。それゆえ本作品は、手のひらにちょこんと乗るほどの、7cmに満たない小さな容器でありながら、ギリシャ彫刻の美を味わわせてくれるのです。

ところで、本作品の製造地はエーゲ海のロドス島か、あるいは古代エジプトのギリシャ人都市ナウクラティスか、いまだ特定されていません。

ロドス島は、ギリシャ陶器の一大産地の一つであり、紀元前7世紀以来、数多くの香水瓶を製造しては、近隣諸国へ輸出していました。そのため、近東やエジプト等で見つかった香料入れにも、ロドス島で製造されたものが数多く含まれています。そのことから、ロドス島が製造地であることは十分考えられるでしょう。

では、ナウクラティスはいかがでしょうか。ナウクラティスは、紀元前7世紀以来、ナイル川のカノポス分流西岸にて栄えたギリシャ人交易都市です。この地もまた、窯業も盛んであったと考えられています。そのためでしょうか、この地に残るギリシャの神々を祀る神殿跡の付近では、多くの陶器が発見されています。

もし本作品がナウクラティスで製造されたとすると、ロドス島とは全く異なる想像を与えてくれるのが面白いところです。世界最古の歴史書である、古代ギリシャの歴史家ヘロドトスの著作『歴史』には、嵐で難破しナイル川デルタ付近に流れ着いたギリシャ人の海賊が、エジプト第26王朝のファラオ、プサムテク1世(治世:紀元前664-610年頃)を守るために、傭兵となって勝利に貢献したことが記されています。その報酬として、エジプトにギリシャ人のための土地が与えられたのをきっかけに、傭兵らの子孫の時代になっても、ファラオとの関係が続き、やがて他の地にも定住が許されるようになったとされています。ナウクラティスもそのひとつです。

そのような歴史を踏まえて、この作品の前に立つと、ナウクラティスに生きたギリシャ人の先祖である、古のギリシャ人傭兵の存在に思いを馳せずにいられません。

もしかしたら古代の人々のなかに、先祖を思う心を込めてこの形の香油入れを持った人がいたのでしょうか――はるか遠い古の出来事は、すべてが解明されていないからこそ、自由な想像の余地が残されているのです。

岡村嘉子(特任学芸員)

サクラの花と平家物語絵展

サクラの花が満開です。

駐車場まであと少しの道の途中にシダレザクラが咲いています。

道路わきの枝垂桜

駐車場はソメイヨシノとシダレザクラが満開です。

駐車場入り口

駐車場から瀬戸内海を眺めると満開のサクラの向こうに平家ゆかりの厳島 宮島を望みます。

駐車場から平家ゆかりの宮島 厳島を望む

駐車場の下は立ち入り禁止区域なのですが、そこには佐野藤右衛門氏のお手による祇園枝垂れ桜が、淡いピンクのサクラ満開の枝を華麗に広げています。

祇園枝垂れ桜

駐車場から美術館に続く杜の遊歩道のサクラも次々と満開を迎えています。

品種不詳 通称エッヘン桜

鏡池のヤエベニシダレはこれから満開を迎えます。

八重紅枝垂れ

平家物語絵 修羅と鎮魂の絵画展にお越しの際は、平家ゆかりの瀬戸内海と厳島を背景にサクラの花々をご堪能下さい。

もりひこ

ソメイヨシノ(染井吉野)と平家物語絵展3

ソメイヨシノが満開になりました。

染井吉野

駐車場のソメイヨシノも満開です。

染井吉野

美術館の敷地には20種類以上の桜の木があります。

左はベニヤエシダレ 右の巨木は通称エッヘン桜(樹木の種類は不詳) 

これから次々と満開を迎えます。

平家物語絵 修羅と鎮魂の絵画 とあわせてお愉しみください

もりひこ