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竹内栖鳳展示室 「水墨表現における学習と革新」

企画展 「水墨表現における学習と革新」 2025/11/1~12/21

今回は竹内栖鳳(1864~1942)の水墨表現に焦点を当て、古画学習で研鑽を積んだ青年期から、1900年(明治33)の渡欧を経て確立していった、卓越した筆技をみせる円熟期までの作品をご紹介します

栖鳳は修業時代、師である幸野楳嶺(1844~1895)から画法を学ぶだけでなく、楳嶺とともに古社寺宝物調査に随行して多くの古画を目にする機会を得ました。古くから珍重されてきた中国絵画や室町水墨画の名画からその筆法を学習した様子が、中国絵画を模写した《高士観瀑図》などから見てとれます。その後渡欧した際、ヨーロッパ絵画の表現法も学習し日本画の近代化を模索していた栖鳳は、実際に目の当たりにしたヨーロッパ絵画の単色のグラデーション表現と、水墨技法のぼかしによる表現とに共通性を見出しました。以後栖鳳は線を基調とした水墨表現ではなく、水辺や月明かり、雨や靄を主題に墨の濃淡やぼかしを生かした、光や大気、空間の広がりを表した作品をたびたび制作しています。栖鳳芸術の革新性はこうした水墨表現からもうかがえることができるでしょう。

竹内栖鳳《高士観瀑図》
1893年(明治26)頃、
海の見える杜美術館
竹内栖鳳《郊村晩野図》
1905年(明治38)頃、
海の見える杜美術館
竹内栖鳳《悲秋図》
1905年(明治38)頃、
海の見える杜美術館