作品紹介


秋冬村家図しゅうとうそんかず》1896年(明治29・33歳)【初公開作品】
画面中央に大きく配された枯木を基点に、夕暮れ時の山間の情景をふすま12面にわたって描いた水墨山水。遠景に屹立きつりつする雄大な山並みは、栖鳳が当時しばしば逗留とうりゅうしていた滋賀長浜より見晴るかす伊吹山地いぶきさんちの姿を彷彿ほうふつとさせる。栖鳳の画業初期に描かれた大画面山水である。

竹内栖鳳 観花 20140724撮影  (80)1
観花かんか》1898年(明治31・35歳)
散る花を眺めるのは、扇を手に舞う骸骨。骨格標本の徹底した写生と二度にわたる描き直しの末に完成した苦心の作でありながら、出品した日本美術協会展に展示を拒否されたという逸話を持つ。リアリズムと幻想が交錯する、栖鳳作品のなかでも空前絶後の異色作である。

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羅馬之図ろーまのず1903年(明治36・40歳)
ヨーロッパ視察旅行より帰国した栖鳳が、ローマの遺跡を六曲一双の屏風に描いた作品。帰国後の栖鳳がテーマカラーとしたセピアによって、夕日に照らし出される廃墟の情景が美しく表現されている。伝統的な日本絵画と西洋絵画の融合を目指した栖鳳がたどり着いた境地を示す、記念碑的な作品。

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打掛うちかけ》《色絵紅葉文茶碗いろえもみじもんちゃわん》1919年(大正8・56歳)【初公開作品】
栖鳳の長女 そのの婚礼のために誂えられた嫁入り道具には、栖鳳による下絵や絵付けがほどこされている。婚礼衣装の打掛は、表には金雲と水墨の堂々たる松、裏には赤地に三羽の飛ぶ鶴と、おめでたいモチーフがちりばめられる。わが子の幸福を願う、愛情深い家庭人としての栖鳳の一面が見て取れる。

 

 

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小春こはる》1927年(昭和2・64歳)
上体をひねり警戒感をもった視線でこちらをうかがう一匹の猫。輪郭線を極力抑え、ふんわりとした毛描きの妙を前面に押し出すことで、猫特有の柔らかさ、とらえどころのなさを見事に表現している。名作《班猫》と双璧をなす、栖鳳が描いた猫の逸品である。

2012-05-1_竹内栖鳳_家兎のコピー
家兎かと》1934年(昭和9・71歳)【初公開作品】
東西画壇の重鎮によって開催された淡交会展たんこうかいてんの第8回展に出品された作品。飼い兎の可愛さのみならず、その野生味すらも感じさせる描写は、動物の匂いまで描くと評された栖鳳の面目躍如めんもくやくじょといえる。長い間所在不明であったが、このたび再発見され、公開の運びとなった。

 

 

 

生誕150年記念 竹内栖鳳

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