三井寺絵巻(パワーポイントで作った絵巻アニメ2/4)

絵巻は、1000年以上前から日本で愛されているエンターテイメントだと思います。

右から左にまいていくと、詞書と場面とが目くるめく世界を繰り広げてくれるのです。まるで映画を見ているようです。

近頃では、漫画の始まりだとかいろいろ言われることもあるようですが、昔の人がどんな風に絵巻を楽しんだのか、仮想体験できるかなと、ちょっとパワーポイントで作ってみました。

そしたら思いのほか楽しくて・・・。

三井寺(みいでら)
絵巻 一巻
室町時代末期 写
外題 三井寺
Miidera
 三井寺に住む僧が、どこからともなく来た稚児を連れて、名月の庭に出る。そこに物狂いの女が来て、藤原秀郷が運んできたという鐘を打とうとする。それを止めに入ると、その女は稚児の母であるとわかる。稚児は、人買い商人に連れられて、駿河の国清見が関からやって来たと打ち明け、母子は再会する。母は、子供が行方不明になったことから物狂いになったのであった。その後、一家は末繁昌したという。
 能『三井寺』を絵巻化した作品。能の詞章をほぼそのまま本文として写している。27の『松風村雨』も同じ系統の作品。能の作品が絵巻化される例はいくつかあり、その際、謡曲の詞章をそのまま本文として使うものと、詞章を物語化してしまうものとがある。物語化したものは、御伽草子としていちづけられるので、能は御伽草子成立の題材となることがわかる。本書の絵は、古雅な奈良絵本タイプで、美しく可愛らしい。
(「物語絵 ―奈良絵本と絵巻に見る古人のこころ―」展 図録解説より)

この動画は2013年の展覧会「信仰と美術Ⅰ」海の見える杜美術館展示会場で使用しました。

うみひこ